◆熱海の双柿舎
熱海にある双柿舎は、明治の文豪・坪内逍遥(つぼうちしょうよう)が晩年住んだ邸宅です。
JR来宮(きのみや)駅の南にあり、熱海海岸が見渡せる静かな佇まいです。
逍遥は1920年(大正9年)から1935年(昭和10年)に亡くなるまでの15年間をここで過ごしました。
見学に訪れると、ガイドさんが丁寧に案内してくださいました。
双柿舎のいわれ
◆双柿舎・会津八一の手掛けた門の扁額
庭に樹齢300余年と言われる柿の大樹が2本あることにちなんで「双柿舎」(そうししゃ)と呼ばれるようになりました。
坪内逍遥にうとい人でも、案内人さんが詳しい解説をしてくれるので、当時の熱海の様子や住まい方、ご夫婦の人柄などを垣間見ることができ、
シェイクスピアの作品への思い入れや庭木をこよなく愛しお手入れされていた様子なども知ることができます。
案内人さんが待ち構えていて、ずっと解説をしてくださいました。
住居のすべてを逍遥が設計
◆母屋への石畳
この住まいは坪内逍遥が自身で設計して、20年近くを過ごした記念建造物です。
建造物のみならず、庭のたたずまい、泉石の配置、樹木や花の配置についても、細心の注意を払って作り上げたものだそうです。
双柿舎の命名の元になったのは、庭にあった古い二本の柿の木で、この老木にちなんで「雙柿舎」と逍遥が命名しました。
ここは後ろ側に山々があり、眼下には熱海の海と市街が広がる景勝地です。
大正9年にここに居所をうつして、昭和10年77歳でなくなるまで、奥様とともにお住まいになりました。
ここでシェークスピアの全訳を完成させました。
入り口には「早稲田大学双柿舎のご案内」という看板で建造物や逍遥の概略を知ることができ、ここをちらっと読んでおくと一層理解がふかまります。
とりあえずの知識ゼロでしたが、静かな佇まいに心が落ち着く場所でした。
見どころと建物
邸内では、塔の形をした書斎や筆塚が見どころの一つとなっています。
また、会津八一の手掛けた門の扁額も訪れる価値があります。
庭園と書屋を見学できるので、中にはいってみました。
双柿舎の営業時間・料金
双柿舎の営業時間とお休み
営業時間:土日の10時から16時
料金
無料
駐車場
ありません。
アクセス方法
JR来宮駅から徒歩約3分。
坪内逍遥双柿舎の母屋の様子
◆母屋の玄関
母屋の玄関の様子です。両脇の部屋の方が張り出していて玄関がくぼんでいます。
ヨーロッパの建造物のような建て方です。
◆奥の居間
母屋の奥の部屋でご夫婦が使われていた居間です。
ここからは熱海市街や海が見渡せます。
◆廊下の上に飾られた、弘法大師様の書
いただいたパンフレットと、双柿舎が建てられた大正9年頃の熱海の地図です。
◆大正9年当時の熱海の地図
当時はほとんど建物がないくらいで、ホテルやマンションが立ち並ぶ現代とは程遠い様子です。
坪内逍遥・双柿舎のお庭の様子
坪内逍遥が一木一草にまで心を尽くしたというお庭を拝見。
真ん中にあるのが古い柿の木で、台風によって倒れてしまっています。
その向こうに逍遥の書屋、書屋で長い時間書き物をされていたそうです。
◆倒れた柿の老木と書屋
◆左手に逍遥の書屋、右手にあるのが離れ
お庭から、逍遥の書屋とその右側にある建物の離れをみています。
◆逍遥の三回忌に、奥様が建てられた筆塚
坪内逍遥・双柿舎の書屋で拝見できるお写真
◆双柿舎の書屋
双柿舎の書屋は昭和3年に完成した建物で、和漢洋を折衷した建物でちょっと風変わりです。
これも逍遥の自らの設計といいます。
塔の胴体と屋根は和を、勾欄と亀腹は漢を、屋上のバトルメントは洋を表現しているそうです。
この建物の中には日付を書き込んだ写真がいくつも飾られ、また逍遥の年表もあります。
この書屋と逍遥さんと仲間の皆さんの記念撮影など、当時のお写真がたくさん掲げられています。
そして、若き日の逍遥ご夫妻。
◆若き日の逍遥ご夫妻
また昭和10年の最晩年のお写真などなどが飾られています。
◆書屋の入り口の二頭の小羊
また書屋の入り口にある二頭の小羊。小羊=こひつじを「しょうよう」と読んでご自身?を表しかわいがっていらしたそうです。
双柿舎の見学の所要時間
解説をお聞きしながらの見学で、40分から1時間程度の所要時間です。
双柿舎(そうししゃ)坪内逍遥/熱海の観光/所要時間/クチコミ/駐車場・まとめ
双柿舎は、緑豊かな熱海の丘陵地に広がる静謐な景色と、風情あふれる建築美が醸し出す落ち着きを備えた邸宅です。
海を望むこの場所は、坪内逍遥が晩年を静かに過ごし、創作のインスピレーションを得た場所でありました。
邸宅から広がる美しい自然や静寂は、逍遥が求めた穏やかで慎ましい生活を象徴しています。
当時のまま残された素晴らしいお屋敷と景観を、熱海観光の一つに加えてお尋ねください。
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