こんにちは!DIYで改造した愛車バネットバンで、気ままな夫婦旅の様子をお届けするブログ「なごやネット」のゴロマル&よしえです。
歴史情緒あふれる妻籠宿と馬籠宿の散策を終え、私たちの旅は木曽路のさらに奥深くへと続きます。
ここからは、ガイドブックの定番ルートを少し外れ、この土地が持つ本当の魅力に触れる時間。
今回の目的地は、伝説が息づく奇岩の絶景「寝覚の床」、木曽駒ヶ岳の麓にひっそりと湧く秘湯「天神温泉 清雲荘」、そして今夜の宿となる伝統工芸の拠点「道の駅木曽ならかわ」の3つです。
自分たちで作り上げた空間で眠り、朝の光とともに目的地へ向かう。
そんな自由気ままな車中泊旅だからこそ出会える風景と感動を、皆さんと分かち合えたら嬉しいです。
さあ、木曽路の新たな冒険へ出発しましょう!
1. 伝説が息づく奇岩の絶景「寝覚の床」
木曽路を旅するなら、決して外すことのできない場所。それがここ「寝覚の床」です。
国の名勝にも指定されるこの場所は、単なる美しい渓谷ではありません。
木曽川の激流が数万年の時をかけて創り上げた自然の芸術と、誰もが知る「浦島太郎伝説」が融合した、神秘的な空気が流れるパワースポットなのです。
自然の造形美を体感する
遊歩道を下りていくと、目の前に広がるのは息をのむような光景。
木曽川の激流によって浸食された巨大な花崗岩が、まるで大きな白い箱を無数に並べたかのような不思議な景観を作り出しています。
岩々の間を流れる水は、吸い込まれそうなほどのエメラルドグリーン。そのコントラストは、まさに自然が描いた一枚の絵画のようです。
浦島太郎、竜宮城からの帰還の地
この美しい景色には、少し哀愁を帯びた物語が秘められています。
竜宮城から故郷へ戻った浦島太郎。しかし、そこは既に300年の時が流れた見知らぬ世界でした。
故郷を失い、諸国をさまよった末にたどり着いたのが、この寝覚の床だったのです。
太郎はこの地で釣りを楽しみ、仙薬を作って人々に分け与えながら暮らしていましたが、ある日、決して開けてはならないと言われた玉手箱を開けてしまいます。
中から立ち上る紫色の煙を浴びた太郎は、一瞬にして白髪の老人となり、嘆き悲しみながら姿を消したと伝えられています。
今でも対岸には、太郎を祀る「浦島堂」が見え、近くの「臨川寺」には伝説ゆかりの品々が残されています。
壮大な自然の中に、はるか昔の物語が静かに息づいているのを感じました。
旅のヒント:アクセスとベスト撮影スポット
これから訪れる方のために、実用的な情報を少しだけ。
- アクセスと駐車場: 国道19号線沿いに無料駐車場(合計130台分)があり、アクセスは非常に便利です。駐車場から遊歩道の入口までは、お土産屋さんを眺めながら歩いて10分~15分ほどです。
- おすすめ撮影ポイント:
- 「床岩」周辺: 渓谷に下りて、広くて平らな「床岩」から見上げる岩壁は迫力満点!川の流れを間近に感じながら、ダイナミックな写真を撮ることができます。
- 臨川寺の展望台: 渓谷全体を俯瞰できる絶景ポイント。寝覚の床の広大さと自然の造形美を一枚に収めたいなら、絶対に外せません。
寝覚の床の壮大な景色に圧倒されましたが、渓谷を渡る風は思った以上にひんやり。
自然の力強さを肌で感じた後は、体の芯から温まる本物の温泉が恋しくなります。
2. 木曽駒ヶ岳の麓に湧く秘湯「天神温泉 国民宿舎 清雲荘」
「観光地の有名なお風呂もいいけれど、本当に良いお湯は、地元の人たちがひっそり通う場所にあるのよね」
温泉ソムリエの資格を持つ妻・よしえは、いつもそう言います。
そんな彼女が今回見つけてきたのが、木曽駒ヶ岳の麓、観光地の喧騒から少し離れた場所にある「天神温泉 国民宿舎 清雲荘」です。
派手さはありませんが、本物の温泉好きを唸らせる魅力が、ここにはありました。
温泉ソムリエが分析する「天神温泉」の泉質
よしえの専門的な視点から、この温泉の素晴らしさを解説してもらいましょう。
- 泉質: 「ナトリウム・カルシウム-炭酸水素塩・塩化物冷鉱泉」。少し複雑な名前ですが、ミネラルが豊富に含まれている証拠です。
- 特徴: なんといっても特筆すべきは、泉温12.4℃の冷鉱泉でありながら、炭酸ガスを非常に多く含む高濃度炭酸泉であること。加温はしていますが、源泉のポテンシャルが非常に高いのです。
- お湯の色: 湯船に注がれているのは、鉄分やミネラルが酸化したことによる特徴的な「茶褐色のにごり湯」。見た目からも成分の濃さが伝わってきます。
- 効能: 豊富な炭酸ガスが皮膚から吸収されることで血管が広がり、血行が促進されます。これにより、神経痛や筋肉痛、旅の疲れを芯から癒してくれる効果が期待できるんです。
よしえ曰く、「このお湯のすごいところは、ただ茶色いだけじゃないの。
湯船に浸かると、微細な炭酸の泡が肌を包むのが分かるのよ。これが血行を良くしてくれる証拠。
見た目の力強さとは裏腹に、お湯自体は驚くほど柔らかくて、体の力がすーっと抜けていく感じがたまらないわ。」
昭和レトロな国民宿舎で日帰り入浴
「清雲荘」は昭和49年創業という、どこか懐かしいアットホームな雰囲気が魅力の国民宿舎。
私たちは日帰り入浴でお邪魔しました。
料金は大人一人500円。
この価格で、平成元年に川底から湧出したという貴重な源泉掛け流しのお湯を堪能できるのですから、大満足です。
寝覚の床からは車で30~40分ほど。
少し足を延ばすだけで、こんなにも素晴らしい温泉に出会えるとは、まさに車旅の醍醐味です。
旅のヒント:料金比較
私たちがなぜ「清雲荘」を選んだのか、他の選択肢と比較してみましょう。
施設名 |
日帰り入浴料金(目安) |
特徴 |
天神温泉 清雲荘 |
500円 |
静かな自然環境で質の良い源泉掛け流し |
ねざめホテル |
700円 |
寝覚の床に近く観光に便利 |
名古屋のスーパー銭湯 |
900円~2,000円 |
設備は充実しているが、自然からは遠い |
ご覧の通り、価格帯でも、「清雲荘」の価値は際立っています。
しかし、大きなスパー銭湯とは違い、洗い場が4人ほど、湯船も6,7人入るといっぱいになる程度の湯船です。
泉質はいいのですが、大きなお風呂を期待するとだめです。
でも、静かな自然に抱かれながら、本物の温泉を手頃な価格でじっくり楽しみたい。
そんな私たちの理想にぴったりの場所でした。
最高の温泉で心も体もすっかりリフレッシュ。
ポカポカになった体で、今夜の寝床となる「道の駅」へ。快適な夜に向けて、準備は万端です。
3. 車中泊「道の駅木曽ならかわ」
私たちの車中泊旅において、「道の駅」は単なる休憩場所や駐車場ではありません。
その土地の文化や食、人々の暮らしに触れることができる、旅の重要な拠点です。
今夜お世話になる「道の駅木曽ならかわ」は、まさにその代表格。
ここは、約400年の歴史を誇る「木曽漆器」の伝統が息づく、工芸の里なのです。
車中泊の拠点としての魅力
まずは、車中泊トラベラーにとって最も重要な基本情報をチェック。
「これだけ広いと、私たちのバネットでも安心して停められるから助かるよ」とゴロマルも満足顔です。
- 立地: 国道19号線沿いにあり、アクセス抜群。
- 駐車場: 普通車83台、大型車11台と十分な広さ。
- トイレ: 清潔で、もちろん24時間利用可能です。
安心して夜を過ごせる環境が整っているのは、本当にありがたいですね。
「木曽くらしの工芸館」を徹底探訪
この道の駅の中核施設が「木曽くらしの工芸館」です。
私たちは到着後、さっそく探訪に出かけました。
- 展示内容: 館内には、約400年の伝統を誇る「木曽漆器」を中心に、約100点もの伝統工芸品がずらり。その美しさと精巧な技術に、思わず時間が経つのを忘れてしまいます。特に、長野冬季オリンピックで実際に使われた木曽漆器製の入賞メダルは必見!地域の伝統が世界の舞台で輝いた証を目の当たりにし、深く感動しました。
- 体験教室: 事前に予約すれば、「木曽堆朱塗り」の研ぎ出し体験もできます。何層にも塗り重ねられた漆を自分で研ぎ出し、美しい紋様を浮かび上がらせる伝統技法。料金は2,200円から、所要時間は60~80分ほどで、世界に一つだけのオリジナル作品を作ることができます。 ここで皆さんへの旅のヒントです。この貴重な体験は2週間前までの予約が必要とのこと。私たちのようにならないよう(笑)、興味のある方はぜひ早めに計画を立ててくださいね。
お土産探しも万全
旅の楽しみの一つがお土産探し。
工芸館や、併設の農産物直売所「ならかわ市場」には、魅力的な特産品がたくさんありました。
美しい木曽漆器はもちろん、地元の美味しい地酒や塩尻産のワインなど、見ているだけでもワクワクします。
伝統工芸の奥深さに触れ、旅の思い出に浸りながら、今夜は愛車でのんびりと木曽路の夜を過ごします。
静かな駐車場と快適な車内。これ以上の贅沢はありません。
まとめ:木曽路の魅力を凝縮した一日
今回の旅を振り返ると、木曽路が持つ多様な魅力が凝縮された、本当に充実した一日でした。
- 寝覚の床で、自然が創り出した圧巻の絶景と伝説の物語に思いを馳せ。
- 天神温泉で、心と体を癒す極上の秘湯に出会い。
- 道の駅木曽ならかわで、地域に根付く伝統文化の奥深さに触れる。
自分たちでDIYしたバンで巡る車中泊の旅は、決まったスケジュールに縛られることなく、その時々の気分で「いいな」と思った場所に立ち寄れる自由さがあります。
だからこそ、ガイドブックには載っていないような地域の宝物を見つけることができるのです。
この記事が、あなたの次の旅のヒントになれば幸いです。
私たち「なごやネット」のゴロマル&よしえの旅は、まだまだ続きます。
次回のレポートも、どうぞお楽しみに!
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